開業医が失敗しない!医療DX製品選び方5つのコツ
2025/11/11
はじめに:導入の成否を分けるのは「選び方」電子カルテ、オンライン予約、問診システム、電子処方箋、勤怠管理――。
近年、医療DXを支援するシステムやアプリは急速に増えています。
厚生労働省の「医療DX推進ロードマップ」を背景に、多くのベンダーが新しい機能を競い合っていますが、現場では「導入したけれど使いこなせなかった」「現場が混乱してしまった」という声も少なくありません。
DX製品は“導入すれば便利になる”ものではなく、実際の成果を左右するのは「どの製品を、どんな視点で選んだか」です。
ここでは、開業医が医療DX製品を導入する際に知っておきたい失敗しない選び方のコツ5つを解説します。
1.「機能が多い」より「必要な機能に絞る」
DX製品は多機能をうたうものが多いですが、「多いほど良い」とは限りません。機能が多すぎると操作が複雑になり、現場が混乱しやすくなります。
大切なのは、自院の課題を明確にして、それを解決する最小限の機能に絞ることです。
たとえば、
- 電話対応の負担を減らしたい → 予約システム
- 初診情報の整理を効率化したい → 問診アプリ
- レセプト作業を簡素化したい → レセプトチェックソフト
導入前にスタッフから「どこに時間や手間がかかっているのか」を聞き出す「業務棚卸し」を行うと、目的が整理され、不要な機能に惑わされずに済みます。
2.現場スタッフが「自分で操作できるか」を基準に
製品デモでは営業担当者がスムーズに操作して見せてくれますが、実際に使うのは現場のスタッフです。そのため、「医師が良いと思った」ではなく、「スタッフが自分で触って理解できるか」を基準に判断しましょう。
導入前に無料トライアルやデモアカウントを活用し、実際の診療フローに沿って操作してみることが大切です。
画面の見やすさ、入力ステップ数、レスポンスの速さ――。
こうした細かな使いやすさが、最終的に定着率を左右します。
「誰でも操作できる」設計のシステムは、属人化を防ぎ、業務の安定につながります。
3.「既存システムとの連携性」を最優先にする
見落とされがちなのが、既存システムとの連携性です。電子カルテ、レセコン、検査機器などとの相性が悪いと、二重入力やデータの不整合が生じ、かえって業務負担が増えます。
導入前に、次のポイントを確認しておきましょう。
- 電子カルテ・レセコンとのAPI連携や自動転記が可能か
- CSVやHL7形式など、標準フォーマットでのデータ出力に対応しているか
- 他クラウドサービス(予約、問診、会計など)との整合性があるか
最初は単機能でも、将来的にシームレスに統合できる設計を選びましょう。
4.サポート体制と導入後フォローを必ず確認
導入時に見落とされがちなポイントが「サポート体制」です。「導入までは丁寧だったが、運用が始まると対応が遅い」という話は少なくありません。
選定時には、次の項目を確認しておくと安心です。
- 問い合わせ対応時間(夜間・休日対応の有無)
- 操作マニュアルや動画・FAQの充実度
- 導入研修や初期設定サポートの有無
- 不具合対応やアップデート頻度
5.費用は「トータルコスト」で比較する
価格だけで判断するのは危険です。安価な製品でも、操作が難しく業務効率が上がらなければ意味がありません。
また、サポート費やアップデート料が別途かかるケースもあります。
導入を検討する際は、「初期費用+月額+サポート費+スタッフの作業負担」まで含めたトータルコストで比較しましょう。
さらに、単なる金額比較ではなく、「業務時間をどれだけ削減できるか」「患者満足度をどれだけ高められるか」といった価値ベースの判断も大切です。
結果的に、“少し高くても使い続けられる製品”が最も費用対効果に優れます。 ●よくある失敗パターン3つ
医療DX製品導入で後悔しやすい代表的な例を挙げておきます。
1.最新機能に惹かれて目的を見失う
→ DXの目的は「課題解決」であり、「機能の多さ」ではない。
2.経営者だけで決めて、現場が使いこなせない
→ 操作するスタッフの意見を反映することが定着のカギ。
3.既存システムとの連携を確認せず、データ移行で混乱
→ 連携実績を事前に確認し、テスト環境で試すこと。 まとめ:選定の決め手は「現場適合性」と「伴走支援」
医療DX製品の選定で最も重要なのは、現場に合うかどうかです。
どんなに優れたシステムでも、日々の診療フローに合わなければ定着しません。
また、導入後のサポート体制が不十分だと、運用が続かなくなります。
つまり、失敗しないための最大のコツは、「現場スタッフと一緒に選び、サポート体制まで含めて比較すること」
DXは単なるIT投資ではなく、クリニック経営を進化させるための戦略です。
自院に最も合った製品を選び、現場に根づく形で運用してこそ、医療DXは本当の価値を発揮します。