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オンライン資格確認のメリットと注意点

2026/02/12

  近年、医療機関を取り巻く環境は大きく変化しています。人手不足、業務の煩雑化、患者サービスの質向上など、さまざまな課題を抱える中で注目されているのが「医療DX」です。その中でも、特に重要な取り組みの一つがオンライン資格確認です。
2025年121日をもって、従来の健康保険証が有効期限満了となったことに伴い、オンライン資格確認が主流となっています。
ここでは、改めてオンライン資格確認の仕組みやメリット、そして導入・運用時に注意すべきポイントについて、医療現場の視点から解説します。

●オンライン資格確認とは?

オンライン資格確認とは、マイナンバーカード(または資格確認書)を用いて、患者の保険資格情報をオンラインで確認できる仕組みです。従来は、受付で健康保険証を目視確認し、資格の有効性や記載内容を人の手でチェックしていましたが、オンライン資格確認を利用することで、リアルタイムで正確な資格情報を取得できるようになります。
この仕組みは、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険中央会が運営するオンライン資格確認等システムを通じて提供され、対応する顔認証付きカードリーダーやシステムを導入することで利用可能になります。

導入の義務化と時期

オンライン資格確認は、20234月から保険医療機関と薬局に導入が原則義務化されました。これは医療DX推進の一環です。

マイナンバーカードを活用した保険資格確認の仕組み

患者が来院時にマイナンバーカードをカードリーダーにかざすことで、以下のような情報をオンラインで確認できます。
  • 健康保険の資格情報(有効・無効)
  • 保険者情報
  • 自己負担割合
さらに、患者本人の同意を得た場合には、特定健診情報や薬剤情報なども閲覧できるようになります。これにより、医療機関はこれまで以上に正確な情報に基づいた診療を行うことが可能になります。

オンライン資格確認の主なメリット

1. 受付業務の効率化と人的ミスの削減

オンライン資格確認を導入することで、保険証の目視確認や手入力作業が大幅に減少します。これにより、受付業務の負担軽減や、資格誤りによるレセプト返戻の削減につながります。
特に繁忙時間帯では、受付の混雑緩和や患者の待ち時間短縮にも効果が期待できます。

2. 重複投薬・併用禁忌の防止

患者の同意を得て薬剤情報を確認できるようになることで、他院・他科で処方されている薬の把握が可能になります。これにより、重複投薬や併用禁忌のリスクを低減し、より安全な医療提供につながります。
高齢者や複数の医療機関を受診している患者にとっては、特に大きなメリットと言えるでしょう。

3. 医療情報共有による診療の質向上

特定健診情報や薬剤情報を確認できることで、問診だけでは把握しきれない患者の健康状態を客観的に確認できます。これにより、診療の質向上や、より適切な治療方針の決定が可能になります。

4. 本人確認の強化

顔認証により、なりすましや不正使用を防ぐことができます。

5. 医療DX推進体制整備加算への対応

オンライン資格確認の導入は、医療DX推進体制整備加算の算定要件の一つでもあります。適切な体制を整えることで、診療報酬上の評価を受けられる点も、医療機関経営において見逃せないポイントです。

●導入・運用時に注意すべきポイント

1.患者本人の「同意」が前提

薬剤情報や特定健診情報の閲覧には、患者本人の明確な同意が必要です。同意取得の流れや説明方法をスタッフ間で統一しておかないと、現場で混乱が生じる可能性があります。
患者に対しては、「何の情報を、何のために確認するのか」を分かりやすく説明することが重要です。

2.スタッフへの十分な周知と教育

新しいシステムを導入しても、現場で正しく使われなければ意味がありません。カードリーダーの操作方法、トラブル時の対応、患者からの質問への受け答えなど、事前の研修やマニュアル整備が欠かせません。
特に受付スタッフは患者対応の最前線に立つため、安心して説明できる環境づくりが重要です。

3.システム・ネットワーク環境の整備

オンライン資格確認はインターネット接続が前提となるため、ネットワーク障害時の対応も考慮する必要があります。万が一システムが利用できない場合の代替手順を事前に決めておくことで、現場の混乱を防ぐことができます。

●まとめ:オンライン資格確認は医療DXの第一歩

オンライン資格確認は、単なる「受付業務のデジタル化」ではなく、医療の安全性向上、業務効率化、患者満足度向上を同時に実現できる重要な仕組みです。
一方で、患者への説明やスタッフ教育、運用ルールの整備など、導入後に求められる対応も少なくありません。だからこそ、医療機関の実情に合わせたサポートを受けながら進めることが重要です。
医療DXは一朝一夕で完成するものではありません。オンライン資格確認をきっかけに、無理のない形でデジタル化を進めていくことが、これからの医療現場に求められています。