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マイナ保険証、スマホ対応の始動 ~医療現場に広がる新たなDX~

2025/09/15

はじめに
マイナンバーカードは、さまざまな公的手続きに使われる身近なカードとして定着してきました。2025年6月からは、ついにマイナンバーカードがスマートフォンで利用できるようになりました。

1. スマートフォン対応の概要

iPhone でもマイナンバーカード機能が利用可能に。 これにより Android と iPhone の両方でマイナ保険証がスマートフォンに“搭載”できるようになりました。 導入開始にあたっては、以下のステップが必要です。 利用者側:マイナポータルアプリを最新状態にアップデートし、スマートフォンにマイナンバーカードを登録。 医療機関側:顔認証付きカードリーダーに加え、スマートフォン対応の汎用カードリーダーを受付に設置。 2025年7月には関東圏15の医療機関で実証実験が開始され、 9月以降は環境準備が整った医療機関や薬局から順次全国展開される予定です 。 厚生労働省も補助金制度を設け、カードリーダーの購入支援を実施予定です。

2. 利用者にとってのメリット

● カード不要でスマホだけ携行 財布の中にマイナンバーカードを入れて持ち歩く必要がなくなり、スマートフォンだけで受診可能に。 ● 手続きのスピードと正確性向上 カードリーダーにスマホをかざすだけで情報が瞬時に読み取られ、受付時の入力や確認作業が不要に。入力ミスや確認漏れのリスクも軽減され、受付業務の正確性が向上します。 ● 情報共有の円滑化 過去の医療履歴や薬歴がデジタルで簡単に確認できるようになり、二重処方や重複検査の防止にもつながります。  

3. 医療機関にとってのメリット

● 受付業務の軽減 患者のスマホで自動的に資格確認がされるため、受付スタッフの負担軽減と業務効率化を実現。 ● 事務コストの縮小 患者の資格情報がリアルタイムで確認できることで、請求ミスや保険適用の誤りが減り、事務コストの削減につながります。 ● 導入支援の充実 カードリーダーや必要機器の購入に際して補助制度が用意されており、導入のハードルが低くなっています。

4. 導入にあたっての課題・注意点

● 機器トラブルのリスク 非接触カードリーダーや通信の不具合などにより、受付が滞る可能性があります。代替手段やトラブル時のマニュアル整備が必要です。 ● 対応の不均一性 実証実験を経ても、9月以降も対応医療機関・薬局は順次拡大されるため、まだ全ての施設でスマホ対応ではありません 。 ● 患者への啓発・案内の必要性 スマホ対応が始まったとはいえ、使い方や準備に不安を抱える方も少なくありません。事前案内や説明、サポート体制の整備が求められます。

5. 患者の満足度と信頼性

医療の質だけでなく、患者の満足度も重要な要素です。患者は、ただ治療を受けるだけでなく、安心感や信頼感を持って医療機関に訪れることが求められます。システムのサポートが不十分であれば、患者は待機時間が長くなる、情報が正確に伝わらない、誤診を受けるなど、さまざまな問題を経験することになります。これらの問題は患者の満足度を低下させ、医療機関に対する信頼も損なわれる原因となります。 一方で、システムが適切にサポートされていれば、患者の診療履歴や処方箋情報がスムーズに共有され、迅速かつ正確な治療が提供されます。このような環境は患者に安心感を与え、医療機関に対する信頼を深めます。患者の信頼が確立されることは、医療機関の評判や長期的な成功にも繋がります。  

6. 今後の展望

スマートフォンでのマイナ保険証の活用は、電子カルテや処方履歴と連携することで、さらに医療デジタル化が進む足がかりになります。 また、自治体レベルでも医療費助成や受給者証との一体化、予防接種履歴などを一括管理できる方向へと拡大を図っており、今後の展開が期待されます。     おわりに カードを持ち歩かず、スマートフォン一つで受診できる新時代がすぐそこまで来ています。利用者にとってはその利便性、医療機関にとっては効率性の双方が向上するこの仕組みは、日本の医療DXの象徴とも言える革新です。今後、全国の医療現場と国民生活両方で当たり前になっていくよう、引き続き注目していきたい変革といえるでしょう。